手付金はいくらにすれば良いか?
2022年12月13日
不動産の売買を行なう場合、まずは売買契約をして、その後引渡しとなります。
その売買契約時に「手付金」として売買代金の一部の支払いをする必要があるのですが、良く「いくら払えば良いの?」とお客様より聞かれます。
結論から申し上げると【売買代金の5~10%】が相場です。
~そもそも手付金とは?~
意外と「契約する証拠金」や「申込証拠金」という意味に捉えているお客様がいらっしゃるのですが、正式には「解約手付」としての意味を成します。
解約手付…聞きなれない言葉ですよね。
一般的な取り決め事として、
■売主さんが契約後に契約を撤回したい場合は手付倍返し
■買主さんが契約後に契約を撤回したい場合は手付放棄
となっています。
具体的なケースを用いて説明しましょう!
・売買代金1,000万円、手付金50万円のケース
売買契約日当日に売主Aさんは買主Bさんより手付金50万円を受取り、正式に売買契約を締結した。
↓
後日、売主Aさんが「この契約、やっぱり止めたい!」と意思表示をした。
↓
売主Aさんは受領済みの手付金50万円に同額の50万円を上乗せした100万円を買主Bさんへ支払うことで契約解除。
ざっくりですがこんな感じです。
細かく言うと、売買契約書には「手付解除期日」と言って、この手付金をペナルティとして解除できる期日が定められているので、その期日を超えてしまったらこの解約方法は使えなくなってしまいます。
(引渡し予定日のギリギリで「やっぱり手付いらないから止めます。」なんて言われたら損失が大きいですからね…)
このように手付金というのは、「契約した後に一定期間までやっぱり契約を止めたいとなってしまった時のペナルティの金額」=「解約手付」という意味なのです。
なんで5%から10%なの?
話を戻します。
上記の通り、手付金は意味のあるお金ですが、手付金の額にも意味があります。
察しの良い方は既にお気づきかと思いますが、例えば下記のケース。
・売り出し価格1,100万円のところ、価格交渉が成立し売買代金1,000万円、手付金5万円で契約した場合。
この契約を締結した後、「売主さん!私、1,100万円でも買いたかったんです!」という人が現れた。
全員とは言いませんが、「契約したけど、その買主さんには手付の倍額の10万円を支払って後から来た人に売ろう!」と考える人も一定数いるのではないでしょうか?
これは売主さんから見ても同様です。
「契約したけれど、5万円だと簡単にキャンセルされそうだな…」「本気ではないのかな…」
こんな感じで心配になりそうですね。
このように、売主さん・買主さんお互いにあまりに低額な手付金は簡単に契約をひっくり返されてしまうリスクが高くなってしまいます。
逆に、どうしても契約を止めなければいけない事情が万が一出来てしまった時、多額の手付金を設定してしまうと「止めたくても止められない」というケースが発生する可能性が高くなります。
こんな理由から、手付金の相場は【売買代金の5%~10%】が丁度良いとされているのです。
購入の申込みをする際には、手付金の意味も理解しておくのがベターです。
もちろん、弊社はこういったこともきちんとご説明します。
不動産豆知識でした!